単価を上げるのは、交渉ではなく提供の形を変えること
値上げをお願いする方法ではありません。同じ時間で受け取る額が変わる仕組みを、実際に取れる手順として整理します。
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「単価を上げたい」と考えるとき、多くの人は既存の取引先への値上げ交渉を想像します。
これは最も難しい方法です。相手にとっては純粋な負担増で、断る理由しかない。しかも関係が悪くなる可能性がある。
実際に効くのは、受け取る額が変わる別の形を作ることです。
なぜ単価が上がらないのか
発注する側から見ると、単価は「その作業を他の人に頼んだらいくらか」で決まります。代わりがいる作業は、代わりの人の価格に引っ張られます。
だから、作業そのものを速くしても単価は上がりません。速くなった分だけ多く受注できるだけで、時間あたりの額は変わらない。むしろ「早くできるなら安くできるはず」と見られることさえあります。
上がるのは、代わりが見つけにくい形にしたときです。
効いた順に4つ
1. 前工程を引き受ける
記事を書く仕事なら、構成案の作成から。デザインなら、要件の整理から。
指示されたものを作る立場から、何を作るかを決める立場に移ると、単価の桁が変わります。決めることには責任が伴うので、その分の価値が付く。
やり方は単純で、次の依頼が来たときに「構成から一緒に考えましょうか」と提案する。断られたら今まで通り。受け入れられたら、その工程を含む見積もりを出します。
2. 単発を継続に変える
1本5万円の仕事を年に3回受けるより、月2万円で年12回のほうが総額は大きい。しかも営業の手間が消えます。
継続の提案は、納品のタイミングでするのがいちばん通ります。相手が成果を見た直後だからです。
今回のような更新を月次でやっておくと、〇〇の状態を保てます。月〇円で継続的にお引き受けできますが、いかがでしょうか。
3. 成果物ではなく結果に近づく
「記事を書く」ではなく「問い合わせを増やすための記事を書く」。「システムを作る」ではなく「この作業時間を減らす」。
相手が本当に欲しいものに寄せると、比較対象が変わります。記事の相場ではなく、その目的にかける予算と比べられるようになる。
ただしこれは、結果に対する期待も背負うことになります。約束できないことを約束しないよう、線引きは慎重に。
4. 新規の相手には最初から高く出す
既存の取引先の単価を上げるのは難しいので、新規で高い単価を取り、徐々に入れ替えるほうが現実的です。
これは冷たく聞こえますが、実際に多くの人がやっていることです。既存の相手を切る必要はなく、稼働の配分を変えていくだけ。
新規に見積もりを出すとき、自分の希望額を出してみてください。断られても失うものはありません。通ればそれが新しい基準になります。
相場を知らないと上げられない
自分の作業がいくらで取引されているかを知らないまま値付けすると、たいてい安すぎます。
クラウドワークスやランサーズの募集を、単価の高い順に見てください。ココナラなら、同じジャンルで売れている出品の価格帯を見る。
自分がいる価格帯より1段上の募集が、何を求めているかを読むと、足りないものが分かります。多くの場合、技術ではなく提案力や、対応範囲の広さです。
断ることが値上げになる
低単価の案件を断ると、その時間が空きます。空いた時間で高単価の案件を探せる。
逆に、安い案件で埋まっていると、いい話が来ても受けられません。稼働率100%は、単価を上げる機会を失った状態でもあります。
これは勇気が要ります。ただ、断る基準を先に決めておくと実行しやすい。「時給換算で〇円を下回る案件は受けない」と決めておけば、その場で判断できます。
上げなくていい場合もある
単価が低くても、継続していて手間がかからない案件は残す価値があります。安定した収入は、それ自体が価値です。
全部の案件を高単価にする必要はありません。収入の土台になる継続案件と、単価の高い挑戦的な案件を組み合わせる。この配分で考えるほうが、現実に即しています。
収入は経験・案件・市況により大きく異なります。本記事は一般的な考え方の整理であり、特定の成果を保証するものではありません。
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