顧客とのやり取りを、探せる形で残しておく
顧客管理ツールを入れる前にやることがあります。記録が探せない状態では、どんなツールを入れても同じです。
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「あの件、前になんて言いましたっけ」
これを相手に聞き返すのは、それ自体が印象を損ないます。かといって、メールとチャットと電話メモに散らばった記録から探すのは時間がかかる。
顧客管理ツールを検討する前に、そもそも探せる状態になっているかを見たほうがいい。
散らばる原因
記録が探せないのは、量の問題ではありません。入り口が複数あるからです。
メールで来る話、チャットで来る話、電話で聞いた話、打ち合わせで決まった話。それぞれ別の場所に残る。しかも電話と打ち合わせは、メモを取らなければ何も残りません。
ツールを入れても、この構造は変わりません。5つ目の置き場所が増えるだけです。
先に決めること
1顧客につき1つの場所を決める。 そこに全部を集約します。
集約と言っても、メールを転記する必要はありません。要点だけを1か所に書けばいい。
9/12 電話 / 次回改修の予算は上期中に確保予定。決裁は部長。 9/15 メール / 見積書送付(No.0042)。10月着手希望。 9/20 打ち合わせ / 対象範囲を〇〇に限定。△△は次フェーズ。
日付、経路、要点。これだけで、後から探せます。詳細が必要ならメールを見に行けばいい。索引があればいいという考え方です。
何を書くか
全部を書こうとすると続きません。書くのは、後で確認される可能性があることだけ。
決まったこと。金額に関わること。期限。担当者と決裁者。相手が難色を示した点。次にやること。
逆に書かなくていいのは、雑談、その場で完結した確認、メールにそのまま残っている内容です。
道具は何でもいい
Notionのようなデータベース機能があるツールは、顧客ごとにページを作って一覧で管理できるので扱いやすい。検索も効きます。
Google Workspaceのスプレッドシートやドキュメントでも十分です。顧客名で検索できれば目的は果たせます。
Chatworkのようなチャットツールを顧客とのやり取りに使っているなら、そこにメモ用のグループを作る手もあります。
道具の機能より、1か所に集まっていることのほうが効きます。 高機能なCRMを入れて使わなくなるより、テキストファイル1つで続くほうがいい。
書くタイミング
これが実は最大の課題です。後で書こうとすると、書きません。
私は打ち合わせや電話の直後、その場で書くようにしています。3分で終わります。時間が経つと、要点を思い出す作業が加わって10分かかる。しかも精度が落ちる。
オンラインの打ち合わせなら、記録ツールを併用する手もあります。ただし文字起こしがそのまま索引になるわけではないので、要点の3行は自分で書くほうが後で使えます。
個人情報の扱い
顧客の情報を記録する以上、扱いには注意が要ります。
必要のない個人情報は書かない。担当者の個人的な事情、健康状態、家族の話などをメモに残すのは避けたほうがいい。「先方の担当者が来月異動」程度の業務上の情報とは区別します。
置き場所についても、外部サービスを使う場合は情報の扱いを確認してください。顧客との契約に守秘の条項があれば、その範囲で判断することになります。
効いてくる場面
記録が残っていると、時間が経った案件の再開が速くなります。
半年前に見送りになった提案が、予算がついて復活する。このとき、当時の経緯が残っていれば、数分で状況を思い出して提案を出し直せる。残っていなければ、また一から聞き直すことになります。
もう一つは、取引の履歴が営業材料になることです。「前回はこの範囲でしたので、今回は〇〇まで含めるとこうなります」という提案は、記録がないとできません。
始め方
いま抱えている顧客の分だけ、過去の記録をまとめてください。メールを遡って、日付と要点を書き出す。1顧客あたり10分程度で済みます。
そのうえで、次のやり取りから追記していく。過去を完璧に再現しようとしない。 これからの分が残れば、半年後には十分な厚みになります。
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