AI議事録を社内に定着させるための段取り
ツールを契約しても議事録が残らない原因は、導入後の運用設計にあります。単語登録、参加者への同意、フォーマットの統一まで、決めておくべき項目を順に整理しました。
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AI文字起こしツールを契約したのに、数か月後には誰も使っていない。これはよくある結末です。
原因はツールの性能ではなく、導入した後に決めていない項目があることです。決めるべきことを順に挙げます。
決めること1: 誰が回すのか
最初につまずくのがここです。「みんなで使いましょう」と言うと、誰も使いません。
- どの会議に適用するかを具体的に指定する(「全部」ではなく「週次定例と、顧客との打ち合わせ」)
- その会議で録音を開始する担当を決める(司会者と兼ねるのが自然)
- 議事録を配る担当も決める
自動で会議に参加するタイプのツール(tl;dvなど)を使うと、この担当の負担がほぼ消えます。カレンダー連携で勝手に入るためです。担当を決められない組織ほど、自動参加型が向きます。
対面の打ち合わせが多いなら、NottaやRimo Voiceのようにスマートフォンでの録音から処理できるものになります。この場合は担当を決めるしかありません。
決めること2: 参加者への説明と同意
ここを飛ばすと、後で問題になります。
- 社内会議であっても、記録されることは事前に伝える
- 社外の参加者がいる会議では、必ず事前に説明して同意を得る
- 自動参加型のボットは、相手の画面に参加者として表示されます。これも含めて説明する
説明の文面を一度作って使い回すと、毎回考えずに済みます。会議招集時の定型文に入れてしまうのが確実です。
また、扱う内容によってはそもそも外部サービスに載せるべきでない会議があります。人事、法務、M&A、個人情報を扱う会議など。適用しない会議を先に決めておくほうが、後から線引きするより揉めません。
決めること3: 固有名詞の単語登録
導入直後に「精度が低い」と判断されて使われなくなるケースの多くは、これが原因です。
日本語の会議には固有名詞が大量に出ます。自社の製品名、部署名、社内用語、取引先名、略語。これらは初期状態では正しく変換されません。
多くのツールに単語登録の機能があります。導入したらまずここに30〜50語を入れてください。体感が明確に変わります。
登録するもの:
登録するのは自社名・製品名・サービス名、部署名と役職の呼称、よく出る取引先名、そして社内でしか通じない略語です。
これは一度やれば済む作業です。やらないまま精度を評価しない。
決めること4: 議事録のフォーマット
文字起こしと議事録は別物です。発言の羅列がそのまま配られると、誰も読みません。
配る形を先に決めておきます。最低限これだけあれば機能します。
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 決定事項 | 何が決まったか |
| 宿題 | 誰が、何を、いつまでに |
| 未決 | 決まらなかったこと、次回に持ち越す論点 |
| 参考 | 出た情報のうち残す価値があるもの |
AIの要約機能に、このフォーマットを指示として渡します。**「要約して」ではなく「決定事項・宿題・未決に分けて、宿題は担当者と期限を表にして」**と具体的に指示する。この差が大きい。
決めること5: どこに置くか
生成された議事録の置き場所が決まっていないと、探せなくなります。探せない記録は無いのと同じです。
会議の種類ごとにフォルダを分け、ファイル名の形式を決めておきます。日付を先頭にすると自然に並ぶので、それだけでも探しやすくなる。あとは検索できる場所に置くこと。
決めること6: 録音データの扱い
- どのくらいの期間保存するか
- 誰が閲覧できるか
- 削除の手順
各サービスの利用規約とプライバシーポリシーに、データの保存場所と削除方法が記載されています。業務で使うなら一度目を通しておく価値があります。
定着したかどうかの見分け方
導入から1か月後に、次を確認してください。
- 対象と決めた会議で、実際に記録が残っているか
- 議事録が配られているか(生成されているだけで配られていない、が最も多い失敗)
- 会議中に「議事録に残しておいて」という発言が出るようになったか
3つ目が出始めたら定着しています。参加者が記録の存在を前提に話し始めるからです。
定着したかどうかの見分け方
導入から1か月後、会議中に「議事録に残しておいて」という発言が出るようになっていれば定着しています。参加者が記録の存在を前提に話し始めるからです。
出ていない場合、たいてい原因は生成ではなく配布にあります。議事録が作られているのに誰にも配られていない、という状態が最も多い。配る担当と置き場所を決めていないと、ここで止まります。
もう一つよくあるのが、単語登録をしないまま「精度が低い」と判断されて使われなくなる型。自社名と製品名を30語ほど入れてから評価してください。
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